Test the Web Forward Meetup (仮), Tokyo#2 に参加して Shadow DOM のテストを書いてきた
Saturday, April 19, 2014 04:38:00 PM
html5jテスト部の活動「Test the Web Forward Meetup (仮), Tokyo#2」に参加してきました。
当日は1回目の反省をふまえて以下の仕様について実施することとなっていました。
- HTMLのルビ(のパーサ周り)
- CSS Text Decoration
- Shadow DOM
私は Shadow DOM を選択しました。理由はGoogle JapanのHayatoさんがSpecを書いているので、テストがマージされやすいんじゃないか?!という不純な動機と、仕様が難しいので参加者が少ないかな?という妄想からでした(ただ実際は一番人気でした!)。
そもそもこの活動は何なのか?というと、みんなでHTML5やCSS、API仕様のテストケースを書こうというミートアップです
と書いてある通りです。
私たちWebに関わるデベロッパーであれば必ず利用するHTMLやCSS、ブラウザによって実装がマチマチでとか、IEがぁーとか言ってますよね。
なぜそうなるのか?
まずHTMLとかCSSはW3Cの仕様があってそれを各ブラウザベンダが実装するわけです(もちろん先に実装されているケースもあります)。ですが結果としてどのように見えるのか?という部分に関して言うと、特にこうなるべき
という具体的な結果が書いてある訳ではありません。そうなると各ベンダは自分の実装は正しいと思ってリリースするのですが、それぞれバラバラだったという結果が起きるのです。
そのため、W3Cではテストの充実に力を入れているのですが、現時点ではリソース不足であったり、そもそもスペックの理解不足という自体が起こります。W3Cのスペックを読んだことがあると何となく想像できるかな、と思います。
そこでTest the Web Forwardという公式イベントや、今回のようなコミュニティ主導のミートアップでテストコードを充実させようという機会が増えてきています。
テストの準備をする
Test the Web Forwardのドキュメントを見れば、今時のWebデベロッパーであれば問題なく環境を構築することができます。
pythonのバージョンが2.7系だったり、pip install html5lib
が必要なのに漏れていた(これについては今回のミートアップでPRが出されてマージされたはずです)り、ちょっと面倒なのですがまぁ問題ないでしょう。GitHub便利。そのうちVagrantファイルでも作ろうかなーと思っています。
ここまでは事前の準備としてやっておきました。
当日やったこと
W3Cのスペックを見ましょう。 当日はHayato Itoさんから仕様の説明を受けて進めるという流れだったのですが、それにしても仕様がむずい。 新しいテストケースはちょっと置いておき、既存のテストを流してみることにしました。すると1つエラーがあって、typoであることがわかったのでPull Request。これはすぐ取り込まれました。嬉しい!W3Cへの貢献ですよ!!
続けて Fail しているテストについて、スペシャリストの方に確認して修正方針を聞いたりして、テストを黙々と書いていきます。 1日作業でしたが、2つのテスト失敗を修正してタイムアップ。
テストのやり方
テストには
- refテスト
期待値:新しい仕様で書いたものと同じになるように既存の仕様で書いたもの、実際:新しい仕様で書いたもの、をスクリーンショットで比較する
- domテスト testharness.js という xUnit ベースのテスティングフレームワークが使える
2通りのやり方があって、Shadow DOMはtestharness.jsでDOMのテストをする段階でした。 testharness.jsはxUnit系なんですが、equals(:actual, :expected) の記法になっていて、キモい!という話をしたら、開発者がmozilla系の方でfire方面ではそういう記述になっているという話を(FireFoxのcontributorの方から)伺うことができました。 これもミートアップでこその体験です。
モダンなテストの書き方という意味では、サーバサイドスクリプトとか今時のJavaScriptのテスティングフレームワークの方がイケてる感じにできますが、これも歴史的な背景(DOMの細かい評価をするのにtestharness.jsが最適であるという理由)ということです。今後についてはわからないけど、各ブラウザベンダなどがテストするときに利用しているということで変更(例えばJasmineに変えるとか)には高い壁があるのかもしれないです。
最後に
W3Cの活動に貢献する作業は今後も続けて行きたいので、ミートアップなくてもテストコードを書き続けて行きたいとおもいました。 ただmetaデータの書き方とかちょっと特殊なところもあったので、新しくやる場合は既存のテストコードをいくつか参照して、書き方のテンプレート部分を把握した方が良いと思いました。
それと今回はW3Cのテストスペシャリストとして Gérard Talbot 氏が初来日ということで基調講演を聴く事ができました。2年間かかって作ったという最高傑作テストケースを見てスペックのテストとは!を感じれたのも良かった。早速 Ahem フォントもインストールしました。
ミートアップ終了後は懇親会もあったのですが、体調不良のため最後までは持たずに帰宅いたしました….
会場を提供いただいた Adobe さん(ノベルティまでいただき感謝!)、スポンサー各社様の協力でとても楽しいイベント(部活)でした。