BDD Plugin for CakePHP2を公開しました
Sunday, August 19, 2012 04:08:15 PM
<!– more –>
BDD Plugin for CakePHP (https://github.com/sizuhiko/Bdd) はCakePHPからRuby on Railsのように2つのBDDフレームワークを実行できるようにするインテグレーション・プラグインです。
2つのBDDフレームワークは
- スペック・フレームワークは Spec for PHP
- ストーリー・フレームワークは Behat
を利用しています。
それぞれのフレームワークの特徴は、共に外側のインターフェースを自然言語で記述できることでコミュニケーション・ツールとしての役割を持っています。
BehatをCakePHPから利用するためのプラグインとしてCakeBehatを公開してきました。
そういう意味で、これはCakeBehatの改良版と言って間違いありません。
CakeBehatからの進化ポイントは以下のとおりです。
- スペックフレームワーク Spec for PHP を実行可能に
- 依存関係の解決に Composer を利用
詳しくは github のREADMEで書いているのですが、英語(あっているか不安がたっぷりですが)で書いてあるので、安心の日本語で解説したいと思います。
今回はサンプルアプリケーション BddExampleApp (https://github.com/sizuhiko/BddExampleApp) に簡単なチュートリアルを書いているので、こちらの流れを中心に説明していきます。
インストール
- CakePHP2 をインストール (2.2以降を推奨)
- PHPUnit をインストール(pearなどを利用)
- git cloneを使うかgithubのサイトからサンプルアプリケーションBddExampleAppをCakePHPのルートディレクトリに展開。このとき app, feature, spec ディレクトリが必要になります。
テストデータを投入するのにfixture以外の仕組みとして fixture-factory(https://github.com/rodrigorm/fixture-factory) を使っています。リンク先の installation を参考にインストールして欲しいのですが、ディレクトリ名が解決できない問題(?)があるのでvendorsディレクトリをvendorにリネームしてください。
$ mv app/Plugin/fixturefactory/vendors app/Plugin/fixturefactory/vendor
データベースを作成して、テーブルを作成してください。データベースはテスト用、開発用の2つが必要で、その両方に app/Config/sql/posts_ja.sql のSQLを実行してください。
環境設定ファイル app/Config/core.php と database.php を環境に合わせて変更してください。database.phpのデータベース名やログイン、パスワードなどは前項で設定した値に変更してください。またブラウザ経由のテストでテスト用データベースを参照するために test.localhost のようなテスト時のホスト名が必要なので、そのままhostsに設定するか違う名前に変更してください。
BDDプラグインをインストールします。CakePHPのプラグインディレクトリ (/plugins) に移動して git clone するか、githubのサイトからダウンロードして展開してください。
そうすると /plugings/Bdd のようなディレクトリ階層になるので、その /plugings/Bdd に移動してください。Composerをインストールして依存関係を解決します。
curl -s https://getcomposer.org/installer | php php composer.phar install –dev
最後にbehatが利用するテスト用URLを設定します。app/Config/behat.ymlの設定値はひとまず「base_url: ‘http://test.localhost:8888/bdd/’」のようになっているので、実際にインストールしたアクセス可能なURLに変更してください。このときdatabase.phpで設定したテスト用のホスト名になってることが重要です。
インストールが完了したら、http://localhost:8888/bdd/posts/ にアクセスして3件のリストが表示されていれば大丈夫です。
テストを実行してみる
CakePHPのルートディレクトリに移動して以下のようにコマンドを実行します。behatのテストでseleniumを利用しているので、可能であればコチラ(http://www.phpunit.de/manual/3.6/ja/selenium.html)を参考にseleniumをダウンロードして実行しておいてください。
$ lib/Cake/Console/cake Bdd.spec
Welcome to CakePHP v2.x.x Console
---------------------------------------------------------------
App : app
Path: /your CakePHP root/app/
---------------------------------------------------------------
•••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••
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✔ OK ❯ Passed 49 of 49 (0.17s 22Mb)
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$ lib/Cake/Console/cake Bdd.story
Welcome to CakePHP v2.x.x Console
---------------------------------------------------------------
App : app
Path: /your CakePHP root/app/
---------------------------------------------------------------
Feature:
In order to tell the masses what's on my mind
As a user
I want to read articles on the site
Background: # /your CakePHP root/features/posts.feature:7
Given there is a post: # /your CakePHP root/features/steps/posts_step.php:3
| Title | Body |
| The title | This is the post body. |
| A title once again | And the post body follows. |
| Title strikes back | This is really exciting! Not. |
Scenario: Show articles # /your CakePHP root/features/posts.feature:14
When I am on "TopPage" # FeatureContext::visit()
Then I should see "The title" # FeatureContext::assertPageContainsText()
And I should see "A title once again" # FeatureContext::assertPageContainsText()
And I should see "Title strikes back" # FeatureContext::assertPageContainsText()
....
スペックフレームワークの使い方
基本的なコマンドラインのオプションなどはSpec for PHP(https://github.com/drslump/Spec-PHP) に対して透過的になっていて、意味もPHPUnitと似ている(実際内部はPHPUnitである)ので、感覚は掴みやすいと思います。
前のコマンド実行例では Bdd.spec にオプションがない状況でしたが、代表的な使い方は以下のとおりです。
# デフォルトディレクトリ(spec)にあるspecファイルをすべて実行
lib/Cake/Console/cake Bdd.spec
# 指定したディレクトリ(spec)にあるspecファイルをすべて実行
lib/Cake/Console/cake Bdd.spec spec
# 指定したファイルだけを実行
lib/Cake/Console/cake Bdd.spec spec/post.spec.php
# オプションの詳細を見る
lib/Cake/Console/cake Bdd.spec --help
スペックファイルの命名ルールは以下のようにspec.phpで終わる3通りです。
- post.spec.php
- post_spec.php
- PostSpec.php
モデルをテストする
モデルをテストするためにCakeTestCaseを継承したCakeSpecというPHPUnitのテストケースを用意しています。これを classアノテーションで指定します。
あとはフィクスチャですが、これはCake本来のテストで利用するものと同じで、宣言する場所と意味がちょっと変わってきます。
Cakeのユニットテストでは、テストケースクラスのメンバ変数として$fixuresを宣言するのですが、スペックでは$W(ワールド)インスタンスのfixtures変数にセットします。arrayの書き方は同じです。ただしスペックコードではitブロックの度にfixturesが解決されるのでitの前のbeforeやbefore_eachブロックで書いておけば1ファイル中に何度出て来ても問題ありません。ちょうどloadFixtures()のような動きなのですが、この場合もCakeTestCaseではfixturesにテストケース内で利用するすべてのフィクスチャを書いておく必要がありますが、スペックでは下位階層で利用する分だけでOKです。これはスペックコードのスコープによることろなのですが、これを詳しく知るには、Spec for PHPがどのようにDSLで解釈してPHPコードをPHPUnitに実行させるかを見た方が良いでしょう。
# スペックコードをPHPコードに変換して出力
$ lib/Cake/Console/Bdd.spec spec/post.spec.php --dump
Spec for PHP はPHPUnitのTestSuiteとTestCaseを利用しています。このうちitブロックがTestCaseに該当します。その他のdescribe、contextやbeforeはTestSuiteになっています。つまりitブロックで $this 変数を使うと TestCase のインスタンスになります。それ以外のbeforeなどは実際にはTestSuiteにマッピングされるので、実行中のテストケースインスタンスを取得したい場合は DrSlumpSpec::test() を呼び出す事で利用可能になります。このスコープが重要になってくるのが、次のコントローラのテストです。
コントローラをテストする
コントローラをテストするためにControllerTestCaseを継承したControllerSpecというPHPUnitのテストケースを用意しています。モデルと同様にclassアノテーションで指定します。ControllerTestCaseを継承しているのでもちろんtestAction()が利用可能なのですが、ここで重要になるのが、スコープです。it以外でtestActionはControllerTestCase($this)から呼び出せないので、DrSlumpSpec::test()->testAction のように記述します。fixturesに関してはモデルと同じく下位階層に対して有効になります。
Spec for PHPを使いこなすには
Spec for PHPの評価(マッチング)はHamcrestを利用しているので自然言語で書く事が可能です。私はPHPUnitのassertXXXXXを覚えるよりも直感的で、こう書いたらできそう(実際できる!!)というのが良いと思っています。
どんな書き方があるかは、サンプルアプリケーションの spec 下に post 以外のテストコードも使い方例として入れてあるので、それを読むとわかるのではないかと思います。
ストーリーフレームワークを利用する
こちらもスペックと同じく基本的なコマンドラインのオプションなどはBehat(http://behat.org/) に対して透過的になっているので、詳しくは公式のドキュメントかhelpで見るのが良いでしょう。
先のコマンド実行例では Bdd.stoy にオプションがない状況でしたが、代表的な使い方は以下のとおりです。
# デフォルトディレクトリ(features)にあるfeatureファイルをすべて実行
lib/Cake/Console/cake Bdd.story
# 指定されたfeatureファイルを実行
lib/Cake/Console/cake Bdd.story features/posts_ja.feature
# より詳しいヘルプを見る
lib/Cake/Console/cake Bdd.story --help
これ以外に関していえばCakeBehatと基本的な仕組みは変わっていません。
フィーチャーを書く
公式ドキュメントの “Define your Feature in Quick Intro to Behat” : http://docs.behat.org/quick_intro.html#define-your-feature を見ると良いかな….(手抜きですみません)
実際のサンプルには日本語記述も入っています。
ステップを書く
これも公式ドキュメント(See “Writing your Step definitions in Quick Intro to Behat” : http://docs.behat.org/quick_intro.html#writing-your-step-definitions)を読むといいね、ってことなんですが、Behatのドキュメントで最初に出会えるステップの書き方は、FeatureContextにステップを追加していく書き方です。これだと独自ステップが少ないうちは良いのですが、増えて来たら分割するのか、どういう単位で分割するのか、そのままビッククラスにするのか…という分岐点にたたされます。
それぐらいなら最初から分けておこうということで、例えばフィーチャの単位であったり自分たちで決めたルールでステップファイルを分割できる方式にしておきましょう。Behatではクロージャ定義も可能なので http://docs.behat.org/guides/5.closures.html の書き方に従って書いてみましょう。サンプルアプリケーションもこの流れに沿っています。
基本的にステップをstepディレクトリ以下に書くようにすることで、FeatureContextを弄る必要はなくなるはずで、将来プラグインのバージョンが上がってFeatureContextが書き変わっても問題はおきません。
CakePHPとの関係
まぁこのままだとただのBehatなので、プラグインは何をしてくれるの?というとCakeBehatと同じくapp/Config/database.phpの設定を元にテストデータを投入するためのインターフェースを用意しています。まぁそれだけなんですが(それを言うとスペックもアノテーション部分ぐらいしか…. )
先の日本語フィーチャでテストデータを登録するステップで、以下の2つのCakePHP連携APIが利用可能です。
- truncateModel(モデル名) : 指定されたモデル名のテストデータを削除します
- getModel(モデル名) : テストデータを登録するモデルのインスタンスを取得します(ClassRegistory::init(モデル名)と同じです)
テストデータは自動で削除されないので、このように必要なタイミングにてtruncateModelを呼び出すようにしてください。
ちょっと便利な機能
Behatは表面的には「前提 “トップページ” を表示している」のように表示するページを指定する場合はURLを書くようにガイドされています。しかし内部的には別名をURLに置き換える事も可能なので、BDDプラグインでは features/support/env.php にページ別名を書けるようにしています。この方がフィーチャファイルの可読性があがると覆います。
今後の展開
このプラグインを使ったBDDについてCakeFest2012の30分枠で話します。
その後、CakeBehatは完全にこちらへ移行となり(マイグレーションもそれほど難しくないと思う)ます。
Spec for PHPについては、私のdevelopブランチを利用しています。こちらは本家にはない機能(subjectもその1つ)を実装していたりします(そのうちPRするかも)。
Behat/Minkについても日本語問題をチェックしていたりしますので、統合的にメンテしていきたいと思っています。
また、これらで発生した問題についてもgithubのissueに日本語で構わないので指摘していただければと思います。
PHPのスペックフレームワーク
Wednesday, May 16, 2012 02:05:22 AM
<!– more –>
PHPでのBDDについては、何度か取り上げてきましたがほとんどがストーリフレームワークであるBehatについてで、スペックフレームワークについてはあまりふれてきませんでした。せっかく今回はPHPカンファレンス関西のLTで2種類のBDDフレームワークについて話したので、スペックフレームワークについてまとめてみたいと思います。
最初にたどり着くのはPHPSpec
LTのスライドでも紹介したのはPHPといえばまず最初に思いつく PHPSpec です。大抵はまず「言語プレフィクス+Spec」で検索してみますよね。PHPはユニットテストがPHPUnitだからPHPSpecだよね、と誰もが連想できます。
で、PHPSpecの書き方としては、
class DescribeNewBowlingGame extends PHPSpecContext {
private $_bowling = null;
public function before() {
$this->_bowling = $this->spec(new Bowling);
}
public function itShouldScore0ForGutterGame() {
for ($i=1; $i<=20; $i++) {
// someone is really bad at bowling!
$this->_bowling->hit(0);
}
$this->_bowling->score->should->equal(0);
}
}
のように、まぁPHPのコードだとすれば読むのはそれほど困難ではないわけですが、やっぱりSpec(仕様)という視点で眺めると、ちょっと無駄な記述が目立ちますよね。それは言語の文法だからしょうがない、そうなんですが。
その他のスペックフレームワーク
で、試しにGitHubで他にないのかと探すと、意外とスペックフレームワークがある事に気がつきました。
名前所感
PHPSpec 最初に出てくる有名どころ
pecs JSpecに影響を受けている。しばらくメンテされていない…
spectrum まだα版でドキュメントもロシア語しかないが、設計の筋が良くいろいろできそう。今後に期待
speciphy yuya-takeyamaさん(@yuya_takeyama)がRspecに影響を受けて作成。subjectが使える。コアはPHPSpecを利用している
Spec for PHP Hamcrestライブラリとtokengetall関数を使って、自然に英語として読める文章として記述が可能。解析した結果をPHPUnitのテストケースとして生成して実行している
以下のコードは、Speciphy を例にPHPSpec以外でどのように書けるかをあらわしています。pecsもspectrumもほぼ同じような記述になります。
namespace SpeciphyDSL;
return
describe('Bowling',
describe('->score',
context('all gutter game',
subject(function () {
$bowling = new Bowling;
for ($i = 1; $i <= 20; $i++) {
$bowling->hit(0);
}
return $bowling;
}),
it('should equal 0', function ($bowling) {
$bowling->score->should->equal(0);
})
)
)
);
だいぶ読みやすくなりました。ではRSpecと比較してみま….す?えっ、やっちゃうの、それは….
describe Bowling, "#score" do
it "returns 0 for all gutter game" do
bowling = Bowling.new
20.times { bowling.hit(0) }
bowling.score.should eq(0)
end
end
こんな感じです。subjectやcontext使っている違いとかありますが、PHPの場合はどうしても無名関数を使うのに
function () {…}
を使わなくてはならないので、そこが惜しいのです。
変態PHPスペックフレームワーク Spec for PHP
そこで Spec for PHP ということなのですが、こいつはだいぶ変態です(ごめんなさい。良い意味です)。まず先程紹介したような funcition(){ … } の無名関数で書いたような記法も使えます。それはほぼ同じように書く事が可能です。で、何が変態かと言うと Hamcrestライブラリとtokengetall関数を使って構文解析することで、以下のようなSpecが書けちゃいます。
describe "Bowling"
describe "#score"
it "returns 0 for all gutter game"
$bowling = new Bowling;
for ($i = 1; $i <= 20; $i++) {
$bowling->hit(0);
}
$bowling->score should equal 0
end
end
end
it ブロックの内容は、Hamcrestを使って$bowling->score should equal 0 のように書いていますが、基本的にはPHPのソースコードであるとわかるでしょう。ただしdescribeやitなどの構文からはfunctionが消えて見通しが良くなっています。
では早速試してみましょう
Spec for PHP は以下の依存関係を持っています。
- PHP 5.3
- PHPUnit 3.5
- Hamcrest matchers library(ベータ版のときに作成されたらしい)
- PHP Object_Freezer 1.0.0
この記事の執筆時点で最新版の依存関係を適用すると、PHPUnitとHamcrestを利用している箇所で一部エラーになってしまいます。そこで、これらを修正し本家にPull Requestを送付しています。
このため、本家に取り込まれるまでは、私のforkリポジトリから取得することを推奨します。
https://github.com/sizuhiko/Spec-PHP
上記問題に対応するための修正と、日本語関連でPHP関数名の正規表現に x7f-xff の範囲を追加した修正が、 develop ブランチに入っていますので、こちらでお試しください。
まず必要なpearパッケージをインストールします。すでにインストール済みならスキップして構いません。
pear channel-discover pear.phpunit.de
pear install phpunit/PHPUnit
pear install phpunit/Object_Freezer
pear install Console_CommandLine
Install Hamcrest matchers library
pear channel-discover hamcrest.googlecode.com/svn/pear
pear install hamcrest/Hamcrest
つづいて、githubからcloneしてdevelopにスイッチします。
git clone git@github.com:sizuhiko/Spec-PHP.git
git checkout origin/develop -b develop
Spec for PHPはPHPUnit経由の実行方法と、Cliランナーも持っています。
- phpunit tests/AllTests.php
- ./spec4php.php tests
さいごに
Spec for PHP はテストコードを書いていて楽しい気分になれるような気がします。まだまだ奥がありそうなので、ちょっと追いかけてみようと思っています。また本家にPRが取り込まれたときなどに、インストール方法など更新予定です。
また、PHPのスペックフレームワークについて「もくもく会」か「勉強会」をやろうと思っていますので、こちらは@sizuhikoのTwitterなどをチェックしておいていただければと思います。
PHPカンファレンス関西2012に参加しました
Monday, May 14, 2012 10:05:29 AM
<!– more –>PHPカンファレンス関西2012のため、5/11夕方から5/13昼頃まで大阪へ出かけていました。
今年は2トラックで興味深いセッションが多く、とても楽しめました。スタッフの皆様、スポンサー、並びに忍びの方々 ありがとうございます。
前夜祭では噂の無限もやしを食べられた(※1)し、懇親会や2次会、3次会ではかなり濃い技術ネタにあふれていてとても楽しかったです。あぁ、こう書くと飲みに行ったみたいに見えちゃいますね….(半分は事実ですが)
イベントでは「BDDで行こう」というLTが無事当選し、発表してきました。資料はこちら(TwileShare)です。タイミング良くこれから私が作成したCakeBehatの紹介が始まる、というところで銅鑼が鳴りまして、まぁ発表者的には美味しい流れでした www
きっかけは作れた(※2)ので、続きはWebで(GitHub) ということですね。スライドの内容とGitHubのREADMEを併せてみてもらえれば、CakeBehatが何をしているのかわかると思います。
とはいえまずはBehatを使ってもらって、その後でCakePHP使っている人はぜひ、という流れです。
それと懇親会LTが行われるということで、本編LTでも発表するので空気を読んで自重していたのですが、追加枠が出たということで14:30ぐらいの段階で申し込みました。懇親会まで3時間ぐらい、その間に本編LTもある中でスライド(TwileShare)を作成しました。内容はBlogで公開しているQueryPathの紹介と、GitHubで公開しているQPPHPのREADMEを合体したものです。これまでにLTをやったことない人でも、このように既出のBlog記事などから資料を作れば簡単にできると思います。@koyhogeさんの懇親会LTでも出てきたのですが、5分なので何があってもノリで切り抜けられる場合がほとんどです。見慣れた顔ぶれだけじゃなくて、新鮮なネタも応募してもらえるといいなぁと思います。
LTで発表したCakeBehatやQPPHPについて、興味をもたれてわからないことがあれば、GitHubのissueなどでご連絡いただければと思います。
また来年のPHPカンファレンス関西が楽しみです。
それでは皆様、PHPカンファレンス(東京)とPHPMatsuri(福岡)でお会いしましょう!!
※1: もちろん有限になる場合があります。翌日3次会で行ったら終わっていたのです。。。
※2: 5分ではすべて紹介できないので、面白そうと思ってもらえたところで時間(銅鑼)になることで、Webサイトを訪問してもらえる&誤解を招かなくていいかなぁと思っていたりします。
QueryPathを使ってHTMLを操作する
Tuesday, May 01, 2012 03:05:12 PM
<!– more –>昨年末phpQueryについて、これはいいね!と取り上げたのですが、その時点でも若干更新が止まっていたり、XHTMLの解釈が微妙だったりとかいくつか不安要因があったのですが、そんな不安を解消するjQueryインターフェースを実装したライブラリを発見しました。
それがQueryPathです。
QueryPathが当たり前に良いと思う点
- 日本語が普通に使える
- XHTMLが普通に使える
- 更新されている
- 拡張(extension)が書きやすい
- テストコードがある
- jQueryインターフェースがほぼ忠実に再現されている
こういう当たり前にできて欲しい事が、意外と日本語環境だとうまくできなかったりするのですが、特に意識することなくできるのは良いと思います。 もちろんmetaの文字コード指定など、ある程度ちゃんとHTMLが書かれている事は重要です。
QueryPathが独特と思う点
QueryPathは標準で5つの拡張機能(extension)を持っています。
- QPDB : データベースへのアクセスと、検索結果をテンプレートへの差し込むことができるようになる
- QPList:配列で渡した内容をtableタグやul、olなどに展開してHTML化できる
- QPTPL:連想配列のキーをidやclassなどのクエリ情報と解釈して、テンプレート流し込み機能を提供する
- QPXML:XMLを操作する拡張機能
- QPXSL:XSLTを利用する拡張機能
独特というのは、拡張機能が簡単に実装できるので、拡張を使えばこんな事、あんな事、jQueryプラグインを書くかのように自由にできますよ、という部分に集約されると思います。
使ってみよう
インストール
QueryPathは3つの導入方法に対応しています。
- PEARパッケージ
- pharファイル
- Composer
ここではpharファイルをダウンロードして始めてみます。pharファイル以外の導入方法はGitHubの公式ページを参照してください。
ダウンロードページより QueryPath-version.pharというファイルをダウンロードします。この記事時点での最新versionは2.1.2です。ダウンロードしたファイルの名前をQueryPath.pharにリネームしておきます。
サンプルHTMLの取得
前回のphpQueryと同じく、WORDPRESSの日本語TOPページのHTMLを使ってみたいと思います。
wget http://ja.wordpress.org/
phpshを使って試す
こちらも前回と同様に、簡単に試すにはインタラクティブシェルを使うのが便利なので、phpshを使います。
bash-3.2$ phpsh
Starting php
type 'h' or 'help' to see instructions & feature
php> require 'QueryPath.phar';
php> $html = htmlqp('index.html');
php> = $html->find('#blog .post .entry')->eq(0)->text()
"ntttttttttWordPress 3.3.2 が利用できるようになりました。これはすべての前バージョンへのセキュリティアップデートです。nWordPress に含まれる3つの外部ライブラリでセキュリティアップデートがありました:n Plupload (バージョン 1.5.4)、WordPress ではメディアのアップロードに使用しています。n SWFUpload、WordPress では以前にメディアのアップロードに使用していました。おそらくプラグインによってはまだ使われています。n SWFObject、WordPress では以前に Flash コンテンツの埋め込みに使用していました。おそらくプラグインやテーマによってはまだ使われています。ntttttttt"
ブログエントリーの先頭記事を抜き出してみました。phpQueryは配列キーにセレクタを記述する方式だったのですが、QueryPathではPHP言語としての「->」の部分以外はjQueryと同じだとわかるでしょう。 またQueryPathにはqpというコア関数もあるのですが、こちらはXML用で、HTMLを利用する場合はhtmlqpを使っておいた方が良さそうです。
最後に
php> = $html->top()->html();
を実行すると、HTML全文を文字列として取得することができます。日本語がまったく問題ないことを確認できると思います。
※ $html->top()->innerXHTML(); ではなく、html関数でないと htmlタグとか含まれないので修正しました。(5/7)
まとめ
現時点でもHTMLの取得にはURL指定、ファイル指定など様々な対応がされており、DB連携やテンプレート機能などそのままでも結構つかえるんじゃないかと思っています。
ただ毎度DOM操作するの?とかいう部分もあるとは思うので、phpQueryっぽいPHP構文が含まれたPHPファイルを出力できるような拡張を作ってみたいなと思っています。まずは素のPHP部分から、その後でCakePHPとの連携も含んでみたいなぁという計画です。拡張名は標準のものを参考にするとQPPHP?なのかな。Pが続くと見づらいなぁ。名前は大事なので何か考えないと。。。
phpQueryを使ってデザイナーとプログラマーを完全分業できるようにする(導入編)
Sunday, December 25, 2011 02:12:34 PM
<!– more –>これまで多くのテンプレートエンジンが登場してきましたが、HTMLに全く手を入れないでデザイナーとプログラマーが分業することは困難でした。 もちろんSmartyのテンプレートが編集できる人がいたり、PHPTALのようにほとんどHTMLには手をつけない方法があったりと、これまでの方法でも分業することは可能だと思います。
ただHTMLには多少の手を入れなくてはいけない、そういう意味でKwartzのようにプレゼンテーションロジックを分割できるテンプレートシステムはとても良いと思っています。ただセレクターがCSS3セレクターでないのが難点かなぁと思っています。
そこで目を付けたのがphpQueryという、名前からして思い当たるjQueryのセレクター機能を搭載したPHP実装になっています。
phpQueryは内部的にPHPのDOMDocumentを使っていて、エレメントを探し出すのに便利なセレクター記法を持っています。
今回はphpQueryを使って静的HTMLの一部をPHPコードに書き換えるという導入をやってみます。
本当は時間があればViewコンポーネントまで作って、githubに展開したかったのですが、これは2012年早々の目標になる予定です。
phpQueryの取得
phpQueryは
- pear
- google-code
- github
のいずれかから導入可能です。この記事ではgithubから取得して進めます。
git clone git://github.com/bluelovers/phpQuery.git
サンプルHTMLの取得
この記事では、みんな大好きWORDPRESSの日本語TOPページのHTMLを使ってみたいと思います。
mkdir templates
wget http://ja.wordpress.org/
mv index.html templates
ここで注意なのですが、現在DOMDocumentではXHTMLを正しくパースできないようです。そこで、通常のHTMLとして解釈できるように先頭数行を以下のように書き換えます。
<html>
<head>
DOCTYPEを削除し、htmlとheadにあった属性を削除しています。
ただXHTMLでなくHTML記法で書かれたページは問題ないので、この課題についてはあまり深入りせず先に進む事にします。
ただDOCTYPEや属性は、後で追加できるのでViewクラスにしたときに何かサポートできるようにしたいなぁと思っています。
の赤枠で囲った部分に関して、PHPの動的コードに変換してみましょう。
phpshを使って試す
簡単に試すにはインタラクティブシェルを使うのが便利なので、今回もphpshを使います。
bash-3.2$ phpsh
Starting php
type 'h' or 'help' to see instructions & features
php> require('phpQuery/phpQuery/phpQuery.php');
php> $file = file_get_contents('template/index.html');
php> $html = phpQuery::newDocumentHTML($file);
php> echo $html->html();
最後のhtml()で読み込んだHTMLがそのまま出力されることを確認しましょう。
ブログ記事の箇所のHTMLは以下のようになっています。
<div id="blog" class="section">
<div class="main">
<h3>ブログ</h3>
<div class="post" id="post-2057">
<h4><a href="http://ja.wordpress.org/2011/12/13/wordpress-3-3-ja/" rel="bookmark" title="WordPress 3.3 日本語版リリースのお知らせ へのパーマリンク">WordPress 3.3 日本語版リリースのお知らせ</a></h4>
<h6>2011年12月13日</h6>
<div class="entry">
<p>WordPress 3.3 日本語版をリリースしました。</p>
</div>
</div>
<div class="post" id="post-2042">
<h4><a href="http://ja.wordpress.org/2011/12/13/wordpress-3-3-sonny/" rel="bookmark" title="WordPress 3.3「Sonny」 へのパーマリンク">WordPress 3.3「Sonny」</a></h4>
<h6>2011年12月13日</h6>
<div class="entry">
<p>WordPress 3.3「Sonny」がご利用いただけるようになりました。</p>
</div>
</div>
ブログ記事は $posts という配列に入っていると仮定します。
php> $html['#blog .post:gt(0)']->remove();
php> $html['#blog .post']->wrapPHP('foreach($posts as $post) {', '}');
php> $html['#blog .post']->attrPHP('id', 'echo "post-$post->id;"');
php> $html['#blog .post h4 a']->attrPHP('href', 'echo $post->url;')->attrPHP('title', 'echo $post->title;')->php('echo $post->title;');
php> $html['#blog .post h6']->php('echo $post->date;');
php> $html['#blog .post .entry p']->php('echo $post->intro;');
php> print $html->php();
のようにphpshで実行すると、先ほどのHTML部分が以下のようになります。
<div id="blog" class="section">
<div class="main">
<h3>ブログ</h3>
<?php foreach($posts as $post) { ?>
<div class="post" id='<?php echo "post-$post->id"; ?>'>
<h4><a href="<?php echo $post->url; ?>" rel="bookmark" title="<?php echo $post->title; ?>"><?php echo $post->title; ?></a></h4>
<h6><?php echo $post->date; ?></h6>
<div class="entry">
<p><?php echo $post->intro; ?></p>
</div>
</div>
<?php } ?>
</div>
どうです?
jQueryで見慣れたセレクタ記述と、少しのphpQueryの拡張記述で、HTMLを直接変更することなくPHPコードを含んだテンプレートファイルに変換することができました。
phpQueryが用意しているjQueryポートしたセレクタや、PHPコードを出力する拡張関数は、google-codeの公式ページを参照するとわかります。
さいごに
最初にHTMLファイルを読み込む部分や、最後にphp()関数を使ってPHPを含むコードに変換する部分をモジュール化して、各フレームワーク向けのViewコンポーネントとして提供したいなぁと思っています。
ただ普段使っているのがCakePHPばかりなので、他のフレームワークについてわかる人に協力してもらえたらなぁと思っています。
またViewコンポーネントにする際はQueryTemplatesというphpQueryを拡張したコードも使おうかなぁと思っています。
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