Technote

by sizuhiko

phpshでCakeを試食する

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普段 Rails でプログラミングをしていて、便利だなぁと思う機能の1つに

rails c

があります。

コマンドラインからRailsアプリケーションのコードを実行できるコンソールで、コードをファイルに書かなくてもすぐ試せるので「あれっ、こんな書き方で良いのだっけ?」という事をお手軽に試すことができます。

Rubyにはirbといった対話型ツールもあります。PHPではこれに相当するものは php -q などが標準で使えるのですが、イマイチな使い勝手です。

そんな中、facebookから公開されている「phpsh」を知りました。これはPHPの対話型ツールで、いわゆるPHP版のirbみたいなものです。

phpshはhttp://www.phpsh.org/で、コードはgithubで公開されています。

今回はphpsh自体のコードをハックすることなく、オートローダー用のphpファイルを作成して、CakePHPのコードを動かせるようにしてみました。

Taste

この対話型ツールでできることは、実際の製品コードを試す、ケーキで言えば“試食"ということで「Taste」と名付けました。

https://github.com/sizuhiko/Taste

インストール

事前にphpshをインストールしておいてください。インストール方法はgithubのREADMEに書かれているので簡単にできると思います。ちなみに私の環境ではphpshのzipをダウンロードして、以下のコマンドを実行しました。

python setup.py install --prefix=/usr/local

.bashrcに以下の行を追加

export PYTHONPATH=/usr/local/lib/python2.6/site-packages 

後はTasteをインストールします。これはgithubで公開している taste.php を CakePHP のルートディレクトリにコピーするだけです。

実行

phpshは –prefixを付けたディレクトリ/bin にインストールされます。仮にそのディレクトリにパスが通っているとして、以下のコマンドを実行します。

phpsh taste.php

  1. 私の環境では pcntl をインストールしていないので赤字で出ますが、phpshとしては必須ではないので気にしなくていいです。
  2. ログディレクトリのワーニングが出ますが、コンソールのブートストラップを参考していて出ています。こちらも試食には問題ないのでスルーします。

できること

CakePHPのコアクラスや、appに配置されたアプリケーションのコードを試すことができます。それは普通に.phpのコードに書いているのと同じ感覚でできます。 では、おなじみのBlogチュートリアルを作った場合、どんな結果が得られるのか見てみましょう。

モデルクラスを使ってみる

phpshのコンソールでClassRegistryを使ってモデルを取得し、findしてみます。

php> $post = ClassRegistry::init('Post');
php> $data = $post->find('all');

以下のように、色付きで表示することができます。

URLを実行してみる

通常のブラウザから実行したときのように Dispatcher クラスを使ってみると、アクションから出力されるhtmlコードを表示してみることができます。

php> $Dispatcher = new Dispatcher('/posts');

Routerを使って、URLルーティングを試す

php> echo Router::url(array('controller'=>'posts', 'action'=>'index'), false);
/posts

さいごに

このようにphpshからCakePHPを使ってみれば、製品コード上でvar_dumpして確認する必要もありません(ここ重要)。

また、ここで紹介した使い方はほんの一片なので、実際にはもっと便利に使えるんじゃないかなぁと思っています。

現在は、アプリケーションはapp限定です。もしapp以外のアプリケーションディレクトリを使っているひとは、taste.php の 39行目 ‘app’ => ‘app’ の値を変更してください。

CakePHP2.0対応は、そのうちやりたいなぁと思っています….